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貸事務所におけるOAフロアとは?具体的な種類やメリットを解説

貸事務所におけるOAフロアとは?具体的な種類やメリットを解説

ビジネスの拠点となる貸事務所の賃貸借契約を結ぶ前には、貸事務所にどのような設備が必要か考えることが大切です。
パソコンなどの電子機器を使用する予定であれば、OAフロアについての知識も必要になります。
そこで今回は、OAフロアとはどのようなものなのか、具体的な種類やOAフロアを導入するメリットを解説します。

貸事務所におけるOAフロアとは

貸事務所におけるOAフロアとは

デスクワークを中心とした業務をおこなう貸事務所では、OAフロアを導入するのが一般的です。
まずは、OAフロアとはどのようなものなのか、その内容をチェックしてみましょう。

OAフロアとは

OAフロアとは、床下に設けられたケーブル収納を目的としたスペースを指し、フリーアクセスフロアとも呼ばれることがあります。
パソコンや電話などの配線が多いオフィスでは、このOAフロアが導入されることが多く、貸事務所でも業務内容に応じて導入される場合があります。
OAフロアでは、人が歩く床の下に3~10cmほどの空間を作り、電話線・インターネットケーブル・プリンターの配線などを収めるのが一般的です。
OAフロアを導入することで、ケーブル類を収納して見た目の乱雑さを緩和するだけでなく、さまざまなメリットがあります。

OAフロアの導入工事

OAフロアは建物の建築時に設置されるだけでなく、通常の床を3~10cmほど持ち上げて設けることも可能です。
具体的なOAフロアの導入工事は、既存の床にアンダーシートを敷き詰めて床面の安定を図るところから始まります。
そのあと、アンダーシートの上にOAフロアの素材を隙間なく並べます。
全体がOAフロアの分だけ高くなったら、仕上げにタイルカーペットなどを敷き詰めて、工事は完了です。
OAフロアの導入工事で注意すべき点は、壁際の隙間とスロープの設置です。
壁際には隙間が生じやすいため、OAフロアをカットするなどの工夫が必要になります。
また、OAフロアを設置した部屋と外部には段差ができるため、転倒を防ぐスロープの設置が重要です。

OAフロアの性能

OAフロアは使用される材質などによって性能が異なりますが、製品の性能を判断する基準としてJAFA性能評価認証制度があります。
このJAFA性能評価認証制度は、令和元年に導入された比較的新しい制度で、信頼性の高いOAフロアの導入に欠かせない基準です。
JAFA性能評価認証制度では、性能評価項目ごとに審査をおこない、合格した製品には認証マークが付与されます。

貸事務所におけるOAフロアの種類

貸事務所におけるOAフロアの種類

OAフロアとはオフィスの床につくられたケーブル収納スペースであり、貸事務所でも工事による導入が可能です。
OAフロアにはさまざまな種類がありますので、どのような選択肢があるかチェックしてみましょう。

OAフロアの種類①材質

OAフロアを導入する場合には、床を二重にするためのパネルを並べます。
このパネルの材質によって、OAフロアは複数の種類に分類されます。
1つ目の材質は金属で、歩きやすく重い荷物も置けるのが特徴です。
また、リサイクルやリユースがしやすい点も金属製OAフロアのメリットですが、工事費用を含めたコストが高額である点がデメリットです。
2つ目の材質には樹脂があり、材料費が比較的安価となります。
樹脂製のOAフロアは軽量で建物への負担が少ない点がメリットですが、歩行時に音が鳴りやすく、重い荷物を置けないことがデメリットです。
3つ目の材質であるコンクリートは、歩いても音がしにくく、通信を妨害するノイズを抑制するメリットがあります。
ただし、工事コストが高額で、廃棄する際には産業廃棄物としての処分が必要になる点がデメリットです。

OAフロアの種類②施工方法

OAフロアには、支柱調整式と置敷式といった施工方法があります。
支柱調整式は、高さを調節できる支柱にパネルを載せるもので、各支柱の高さを自由に変えられるため、水平でない床でも工事がしやすいことがメリットです。
ただし、支柱の調整などで工事に時間がかかるほか、支柱を固定する際に床に傷が付くことがデメリットとなります。
一方の置敷式は、支柱がないパネルを直接床に並べる方法で、支柱調整式と比べて設置が簡単に済むことがメリットです。
ただし、床の形状に合わせた支柱の調整ができないため、耐震性に欠ける点がデメリットです。

OAフロアの種類③配線方法

OAフロアには、パネル下に配線を通す方法と、パネルに設けられた溝に配線を通す方法の2種類の配線方法があります。
支柱のあるパネルは、下に配線を通す方法が採用されており、配線の自由度が高く、大容量の配線が可能な点がメリットです。
一方、パネルの溝を利用した配線方法は、上下にパネルを組み合わせる構造で、後から配線を変更しやすい点がメリットです。

貸事務所でOAフロアを導入するメリット

貸事務所でOAフロアを導入するメリット

賃貸借契約を結んだ貸事務所でデスクワークをする場合、工事の手間はかかるものの、OAフロアの導入にはさまざまなメリットがあります。
具体的なメリットの内容をチェックして、OAフロアの導入を考えてみましょう。

転倒などのけがを防げる

貸事務所でOAフロアを導入すると、床上のケーブルに足を取られてけがをするリスクを軽減できることがメリットです。
とくに、コンパクトな貸事務所ではケーブルが通路を横断する場合があり、日常的なけがの危険性は無視できません。
ケーブルに足を引っ掛けて転倒した場合、スタッフのけがだけでなく、パソコンのデータに対する損害も問題となります。
人的および設備的な安全性の向上が実現できることは、OAフロア導入の大きなメリットです。

見た目の乱雑さがなくなる

貸事務所で賃貸借契約を結び事業を始める場合、床にむき出しのケーブル類が見た目を損ない、来訪者に与える印象が気になることがあります。
この点で、OAフロアを導入すれば、こうした見た目の乱雑さが解消され、来訪者に好印象を与えられることがメリットです。
さらに、見た目の美しさは室内で働くスタッフにも良い影響を与え、業務効率や勤務意欲の向上が期待できます。

掃除がしやすくなる

むき出しの配線が床下に収納されることで、掃除がしやすくなる点も、貸事務所でOAフロアを導入するメリットです。
配線周りにはほこりやごみがたまりやすく、気が付いたときには簡単に取れない汚れになることも少なくありません。
また、配線が出たままの床では掃除機の移動が困難になり、掃除作業が負担になることもあります。
OAフロアを導入することで、こうした問題の多くが解決し、掃除がしやすくなる点がメリットです。

オフィスレイアウトがしやすくなる

配線が床の上に出たままの貸事務所では、配線を踏まないようオフィス家具の配置に悩むことがあります。
しかし、OAフロアが導入された貸事務所であれば、配線を気にせずオフィスレイアウトをおこないやすくなることがメリットです。
ケーブルの断線を避けるためにオフィス家具の導入を見送っていた貸事務所でも、OAフロアを導入すれば、空いたスペースにデスクや収納キャビネットを設置できます。
また、ケーブルが長くならないよう電子機器を1か所に集約していた貸事務所でも、フロア全体を広く使ったレイアウトを採用できることがメリットです。

まとめ

OAフロアとは、パソコンや電話のケーブルを収納するための床下空間のことです。
OAフロアには、パネルの材質・施工方法・配線方法によっていくつかの種類があります。
安全性・見た目・掃除のしやすさといったOAフロア導入のメリットもチェックして、貸事務所のレイアウトを考えてみてください。