スケルトン物件で店舗開業をする！メリット・デメリットを解説

退職や独立を機に店舗を開業したいと思う方は、多いのではないでしょうか。
そのような方々におすすめなのは、スケルトン物件です。
この記事では、スケルトン物件とはどのようなものか、メリット、デメリットについて解説します。
開業のための物件をお探しの方、店舗開業を考えている方は参考になさってください。

スケルトン物件とは

スケルトン物件とは、どのような構造になっているのか、内装や骨組みの状態などについて解説します。
コンクリート打ちっぱなしで内装のない、骨組みのみの状態がこの物件の特徴です。

コンクリート打ちっぱなしの状態

スケルトンとは不動産用語で建物の支えとなる構造駆体を意味し、具体的には柱や梁、床などを指します。
いわゆるコンクリート打ちっぱなしの状態で、コンクリートはもちろん、配線や配管もむき出しになったままです。
物件の受け渡しも、このような状態のままでおこなわれますので、スケルトン物件をお考えの場合は、誤解のないようきちんと理解しておきましょう。
こうした物件の場合は、何もない状態で引き渡されるので、「このようなはずではなかった」などと後悔しないようにしてください。

内装なしの状態

スケルトン物件は内装のない状態なので、内装がある状態で引き渡される居抜き物件とは異なります。
ただし、なかには内装が一部のみ残っている半スケルトン物件も存在するため注意しましょう。
このような物件の場合は、半居抜き物件とも呼ばれ、分類としては居抜き物件の一部になります。
スケルトン物件は内装や設備が何もない状態であると理解しておきましょう。
そのような状態だからこそ、自由に店舗を作り上げていける楽しみを見出せます。

骨組みのみの状態

お店を開業するためにテナントを探している場合、スケルトン物件があったら、骨組みのみの状態をイメージしてみてください。
何もない骨組みのみの状態なので、飲食店、雑貨店、塾、習い事の教室など、自分なりの個性を発揮したお店を作りたい方におすすめです。
飲食可の物件もあれば、不可のものもあるため注意が必要です。
スケルトン物件を探す場合は、場所や家賃以外にも、どのようなタイプのお店をオープンさせたいかも考慮に入れて探してみましょう。

スケルトン物件のメリット

ここからはスケルトン物件のメリットをお伝えします。
理想の実現や安心の設備管理の簡単、自分のイメージを反映できるなど、いくつかメリットが考えられます。
ご自身のお考えになるメリットと照らし合わせてみてください。

理想の実現が可能

お店のオープンを考える場合、どのような店舗を築きたいかの理想があるはずです。
スケルトン物件であれば、何もないところから店舗作りを始められるので、理想どおりのお店を作れるでしょう。
たとえば、子どもの遊び場空間がある美容院、カウンターのみのこぢんまりとした飲食店、おしゃれな照明のある雑貨店など、いろいろ考えられます。
しかし、居抜き物件の場合は、すでにお店の内装が出来上がった状態での引き渡しなので、すべてが理想とおりの店舗設計にはなりません。
たとえば、飲食店を開店させたい場合、キッチン内部の配置が理想とおりでない、こだわりの設備にできないなどの弊害が考えられます。
したがって、理想を実現したいと考える方、とにかく内装には人一倍こだわりたいと考える方には、この物件がおすすめです。

安心できる設備管理

スケルトン物件の場合、設備管理も一から始める状態なので、自分自身のこだわりの設備、やりやすい設備にできます。
居抜き物件の場合は前のオーナーが使っていた設備をそのまま利用できるので便利ですが、設備の不具合も考えられます。
たとえば、飲食店の場合、オーブン設備が壊れていたり、冷蔵庫が冷えなかったりなどのトラブルがあるかもしれません。
そのような場合、修理に出したり新しい物に買い替えたりしなければならないため、かえって手間やお金がかかってしまうでしょう。
しかし、この物件であれば、最初から設備がないところから始めるため、自分自身で選び抜いた物を使えます。
安心して開店準備にいそしめるのではないでしょうか。

イメージどおりの店舗作りが可能

スケルトン物件は何もない状態から準備できるので、イメージどおりの店舗作りができます。
たとえば、ハワイのような南国のイメージのカフェにしたいと思ったら、南国ムードたっぷりの照明やシーリングファンなど、自由な内装作りが可能です。
しかし、和食レストランの居抜き物件であれば、それをハワイアンのイメージにするのは難しいでしょう。
居抜き物件ならば、自分のイメージする店舗を探さなければならないので、物件探しに時間を費やす可能性があります。
その点、スケルトン物件ならば、前のお店がどのようなタイプのお店であったかは考えずに自分のイメージで設計可能です。
したがって、ご自身のイメージを大事にした店舗作りを考える場合は、こちらの物件がおすすめです。

スケルトン物件のデメリット

メリットが多くあったとしても、デメリットは存在するものです。
スケルトン物件にもデメリットはあるので、これから解説する点に気を付けて、物件選びをしましょう。
デメリットとして考えられるのは、費用、開店までにかかる時間、退去時の原状回復費用です。

高くつく費用

すでに設備や内装が整っている居抜き物件と比べると、何もない状態から始める物件には、ある程度の費用がかかります。
とくにかかると考えられるのは美容院、エステサロン、ネールサロン、飲食店などで使う特殊な設備費用です。
また、什器、備品、装飾品などをこだわりの美品でそろえるとなると、さらに費用がかかってしまいます。
その他にも内装費用や、デザイナーに頼む場合などはいっそう費用がかかるでしょう。
しかし、せっかく理想が実現できるときで、そのために貯金をしておいたり、お金を取って置いたりしている方も多いはずです。
抑えるところは抑えながらも、理想の実現に投資するなど、人それぞれの考え方によります。
今後かかる生活費や老後の資金などを考えたうえで、かかる費用をご検討ください。

開店までにかかる時間

スケルトン物件の場合は、一から始めなければならないため、開店するまでに時間がかかってしまいます。
とくに内装工事、設備の購入、搬入などに時間がかかると考えられ、計画を持ってすすめるようにしたいものです。
あらかじめ、余裕を持ったオープンの日を決めておき、それに向けて準備を始めましょう。
しかし、準備を急ぎすぎて、不完全なままでオープンするのは避けたいものです。
業者の都合などで、工事や搬送が遅れる事態も念頭に入れ、すべてチェックする日なども設けたうえでオープン日を決めましょう。
不備があるオープンよりは、オープン日が遅い方が安心です。
もしも、事情によりどうしても早めにオープンしたい、〇月〇日までには必ずオープンしたい場合は、居抜き物件のほうが無難です。

退去時の原状回復費用

せっかくオープンして頑張ってきた店舗でも、事情により退去しなければならない場合があります。
その時には、オープン時と同じ状態に戻すための原状回復費用がかかるのを覚悟しなければなりません。
つまり、オープン時に手や費用をかけただけ退去時もかかるので、契約前に退去時についても確認しておくようにしましょう。
また、費用のみでなく元どおりのスケルトン状態に戻すには時間もかかります。
その点についても工事業者に確認してください。

まとめ

スケルトン物件は何もないコンクリート打ちっぱなしの状態なので、一から店舗作りをしたい方、こだわりのお店にしたい方におすすめです。
しかし、内装や退去時には費用や時間がかかる点がデメリットになるため、その点は覚悟しなければなりません。
もしも資金に余裕がない場合は、居抜き物件がおすすめです。